美容室独立物件探しレポート第二弾|内装屋さんに聞いて初めてわかった「居抜き物件の落とし穴」

おはようございます、敬です。

前回の記事で、30坪の居抜き美容室を見に行ったレポートを書きました。

今回は、その後のお話。

物件の現オーナーさんとの再会、そしてプロの内装屋さんとの話し合いを通して、僕の物件選びの考え方がガラッと変わった出来事をまとめてみました。

【急展開】オーナーさんからまさかの「買い取ってほしい」提案

居抜き物件の内見から数日後、オーナーさんから「急ぎで話がしたい」と連絡がありました。

その週末は、家族とのキャンプと内装屋さんとの打ち合わせを予定していたのですが、予定を切り上げて時間をつくり、お会いすることに。

オーナーさんが切り出したのは、まさかのひと言。

「この物件、買い取ってもらえないかな?」

正直、驚きました。

「引退するし、誰かに使ってもらえたら…」くらいの気持ちかと思っていたので、まさか売却希望とは。

でも、冷静になって考えてみると、それも自然な感情なんですよね。

長年の営業で使い込んだ機材や設備。手放すにしても「タダで譲るのは惜しい」っていう気持ちは分かります。

一方で、僕自身も考えました。

電気の引き込みや給排水の工事がすでにされていて、ボイラーやエアコンがある状態なら、それなりの価値はあるかもしれない。

【家賃問題】昔は11万円、今は7万円。その差に潜むリスク

もうひとつ、気になっていたのが家賃の問題です。

オーナーさんいわく、昔は11万円だった家賃が、長年の交渉の末に現在は7万円とのこと。

ということは…僕が新たに契約する際には、また11万円になる可能性もある?

正直、それは痛い。

毎月4万円の差は、年間で48万円。開業直後の経営を考えると、決して無視できない金額です。

そこで僕は、こう提案しました。

「もし家賃が現行の7万円でいけるなら、この価格で買い取ります。

その交渉、大家さんにお願いできませんか?」

オーナーさんは快く引き受けてくださり、「任せて!」と前向きな様子。

僕もこの時点では、「これで不安材料は解決!」と気持ちが軽くなっていました。

【内装屋さん登場】まさかの全否定

その日の夕方、キャンプ帰りに予定していた内装屋さんとの打ち合わせへ。

オーナーさんとの話を興奮気味に話す僕に、内装屋さんは開口一番、**「そんな物件やめとけ」**の一言。

えっ…!?

理由はこうです。

築40年、壁も床も天井も張り替えてない

給排水管が古すぎて、漏水リスク大

ボイラーとエアコンも10年以上経過していて、いつ壊れてもおかしくない

やりたいサロンのコンセプトが明確だから、居抜きに縛られると逆に自由がきかない

つまり、良かれと思って引き継ごうとしていた設備たちは、**ただの“ゴミ”**になるかもしれないということ。

処分費まで考えれば、買い取っても大損。

一番得をするのは、スケルトンにする費用が浮いて、現金まで手にするオーナーさんだという現実に気づかされました。

【立地の落とし穴】駅前だけど、集客できるとは限らない

さらに、物件の立地についても厳しい一言。

「田舎の駅前って、そんなに人通りないし目立たないよ」

「中途半端な立地でやるくらいなら、いっそもっと田舎で“特別感”出した方がいい」

なるほど…

駅前という言葉に惑わされていましたが、それが即ち“集客力”には直結しないという事実。

ここで、ハッとしました。

物件を見に行って、心が躍って、イメージが先行していたなと。

【プロの視点】どんな物件が理想か?

じゃあ、どんな物件がいいのか?と尋ねると、内装屋さんはこう答えてくれました。

「理想は“倉庫”。広くて、構造がシンプルで、自由度が高い」

「意外と“土蔵”もいいよ。断熱性、保温性に優れてて、頑丈だしね」

実は、うちの敷地のすぐとなりにも土蔵があるんです。笑

崩れかけていて、持ち主さんに「撤去してくれ」とお願いしたこともあります。

でも、「壊すのにも費用がかかるから…」と放置されていたあの土蔵。

もし使えるなら…と一瞬期待しました。

【現実は厳しい】建築法の壁と、みなし道路の存在

期待も束の間、調べていくと現実はそう甘くありませんでした。

土蔵は、農道(幅4m未満)にしか接しておらず、**建築基準法の「接道義務」**をクリアできない。

調べていくと、「みなし道路」や例外措置もあるようでしたが、結論としては、お隣さんの土地を買い取らない限り、お店としては使えないということに。

この壁はかなり高い…。

残念ながら、土蔵リノベ美容室案は、一旦見送りです。

【まとめ】プロに相談して初めて見えた「現実」

今回の一件で、ひとつ確かなことがわかりました。

物件選びは、見た目やイメージだけではダメ。

必ず、プロの目で見てもらうべき。

居抜き物件=お得と思っていたけれど、再利用できない設備や、予想外の改修コストがかかるなら、逆に高くつくこともある。

そして立地も、「駅前」「便利そう」というイメージだけで判断しない。

その場所でどうやって人を呼ぶか、しっかり戦略を立てる必要があるんだと気づきました。

次回予告:次に見るべきは「倉庫物件」か?

というわけで、現在は内装屋さんのアドバイスをもとに、別の物件を探し中。

もし「倉庫系」や「リノベ向きの物件」に出会えたら、またレポートします。

引き続き、独立へのリアルな道のりをこのブログで共有していくので、応援よろしくお願いします!

※この記事は、美容師として1人での独立開業を目指す僕の記録です。リアルな葛藤や気づきが、これから独立を目指す方の参考になれば嬉しいです。

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